東大生も解けない!?中学生レベルの二択問題

  1. データ分析

東大生も解けない!?

という問題、よくありますよね。
そういわれると試してみたくなりますし、そういう触れ込みの問題が解けると多くの人が悦に入ることのできます。解けなかったとしても「東大生も解けない」問題なんですから全く気にする必要はありません。
これはいい仕組みです。(もっとも槍玉に上げられる東大生の気持ちは考えられていないとは思いますが)

ということで私もやってみようと思い、試してみました。
幸い東大生は身の回りにうじゃうじゃいるので、テストも簡単にできます。彼らがまんまと間違えるような問題ができれば作戦大成功です。

東大生も解けないただの二択問題

それではさっそく問題です。
皆さんもぜひ考えてみてください。

適当にやっても50%の確率で当たる2択問題です。

A氏は29歳の独身男性。
大学時代は生物を専攻し、当時はヘルマンヘッセを愛読。
様々なデータを見て考え事をするのが好き。
考え事に夢中になるとよく電車を乗り過ごす。
批判的で理屈っぽくいところがある。
極めて楽観的。
はっきりものを言う。

さて、A氏の今を推測する場合、可能性が高いのはどっち?

  1. 投資が好き
  2. 投資が好きで、なおかつモテない



どうでしょうか?
皆さんは1と2のどちらを選びましたか?

「データを見て考え事をするのが好きってなんだかオタクっぽい。それに批判的で理屈っぽいところなんていかにも女の子ウケしなさそう」

きっとモテないに違いない!答えは2だ!

そう回答した方が多いのではないでしょうか。
実際にTwitterで取った同様のアンケートでも、実に87%の人が2を選択しています。この中には複数の東大生も含まれています。

ところが正解は2ではなく1です。
これ正解がある問題なの?と思われるかもしれませんが、設問をよく見てください。

「A氏の今を推測する場合、可能性が高いのはどっち?」

と書いてあります。
この問題は論理的に1のほうが可能性が高いので正解は1です。

Twitterアンケートだと260人中226人が間違えてしまいました。ウケる。

回答解説

どちらが正解かは図で考えると一瞬でわかります。

「2.投資が好きで、なおかつモテない可能性」は「1.投資が好きな可能性」の部分集合です。別の言い方をすると、2は1に必ず含まれています。そのため可能性の大きさは必ず、1≧2となります。
図で考えれば中学生でもわかる簡単な問題ですね。

解説があると正解の理由はわかりますが、もう一度問題を見てもなんだか納得できないのではないでしょうか?私も同じです。論理的に正しいのが1だったとしても、この問題の正解は2である気がしてなりません。

「正解は2だ!理屈っぽい男がモテるわけないだろ!」

そう、頭の中で小さなホムンクルスが叫んでいます。

なぜ2が正解であるような気がするのでしょうか?
なぜ論理思考が得意なはずの東大生も間違えてしまったのでしょうか?

間違いが発生しやすい理由は、心理学で言うところの「代表性ヒューリスティック」という人間の意思決定プロセスが働いたことによるものです。

代表性ヒューリスティック

ヒューリスティックとは、心理的なバイアスの1つです。ヒューリスティックによって生じる認知上の偏りのことを「認知バイアス」と言います。 その中でも代表性ヒューリスティックは、 特定のカテゴリーに典型的と思われる事項の確率を過大に評価しやすい意思決定プロセスのことを指します。

ここでは野村證券の証券用語解説集の解説をそのまま引用します。

ヒューリスティック(ひゅーりすてぃっく)

行動ファイナンスで人間の意思決定に影響を及ぼすとされる心理的なバイアス(歪み)の一つ。全体をおおまかに捉え、直観的に素早く判断を導き出そうとするときに働くバイアス。その事柄に典型的な事例を過大評価したり、特定の経験や規則性をあてはめて判断する「代表性ヒューリスティック」、記憶や印象に残る事例をもとに判断する「利用可能性ヒューリスティック」、先に与えられた参考値に基づき判断する「アンカリング」などに分類される。

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/hi/A02753.html

なぜ野村證券の証券用語集にヒューリスティックが載っているの?投資に何か関係があるの?

と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
実はヒューリスティックは投資に大いに関係しています。
今回の「代表性ヒューリスティック」を例に考えてみましょう。典型的なものにテクニカル分析のエリオット波動理論があります。

エリオット波動理論では、上昇波と下降波の波動のフラクタル性を元にした美しい理論。DNAの二重らせんが織りなす人の営みを相場の動きに拡張した唯一無二の調べ……。
蠱惑的な響きと、実際に相場に当てはめると効いているように見えるという人間心理を突いた特性から多くのトレーダーに人気の物語です。 全5シリーズ。

エリオット波動物語が信じられている理由の1つが代表性ヒューリスティックです。エリオット波動では、「いかにもそれらしいポイント」を過去の相場の中から文字通りいくらでも抽出することができます。
バチバチに効いているポイントを見せられた初心者トレーダーはそれだけでエリオット波動を信じてしまいます。効いていないポイントがあることがわかっていたとしても、過去チャートに載っている成功体験を過大評価してしまいます。

代表性ヒューリスティックの魔法にかけられてしまうのです。

これが人間の持つ思い込みの力のなせる技です。二択問題でもあったように、東大生であっても容易に引っかかってしまいます。俺は引っかからない!と思っている人ほど要注意です。

まとめ

  • 代表性ヒューリスティック(思い込み)によって東大生も簡単な二択問題を間違えてしまう
  • 投資にも密接に関係しており、エリオット波動理論が好かれる理由の1つでもある
  • 自分は論理的・客観的だと思い込んでいる人ほど要注意

で、可能性の話だったら「投資が好き」が正解だろうけど、事実としては「投資が好き」なのか「投資が好きで、なおかつモテない」なのかどっちなの?という声があるにはあると思いますが、そもそもモテるかどうかというのは主観的にしか判断できないものであり、まずはモテるという状態の定義を明確にしないとその質問には回答できないと思います。ですので事実はどちらなのかと言われても現在の情報では回答不可能です。(オタク特有の早口)

BBBでした。

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株式会社BBB andCompany代表取締役。本をよく読みます。Twitterでも投資に関する様々な情報を発信しています。フォローしていただけると嬉しいです。

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