BBBです。
TradingView、便利ですよね。
OHLCVベースの戦略であれば基本的にTradingViewだけで検証できますし、データをExportして分析することも容易いです。私はPremiumプランを契約してヘビーユーズしています。
ただし痒いところに手が届かないところは結構あり、その中の1つがデフォルトで表示可能な足の数に制限があり、したがって表示可能なバックテスト期間が選択している足の長さによっては短くなってしまうことです。
この問題のせいで、ストラテジーを作るときに意図せずに非常に短い時間にだけフィットして戦略を作ってしまいがちになってしまうということが起こります。
そこで重要になってくるのがバックテスト結果を遡って見ることです。今日はなぜバックテスト結果を遡って見たほうがよいのか?についてお伝えすると共に、TradingViewのバックテスト期間を遡って見るための具体的な方法も記載します。
その前にそもそもTradingViewってなあに?という方はこちらをご覧ください。
それではさっそく見ていきましょう。
目次
TradingViewの足の長さによるバックテスト期間の違い
まずはバックテスト期間に制限があるというのがどういうことなのかを確認していきます。
適当にTradingView上でストラテジーを追加してストラテジーテスターの結果を見てみましょう。
アップルの日足チャートです。バックテスト結果が表示されています。
ここでトレード一覧からこのバックテストがいつからのものなのかを確認してみます。
1981年1月29日からのバックテスト結果が表示されていることがわかりました。
では次に足の長さを日足から1分足に変更してみます。
こんな結果になりました。
日足の場合は1989年1月からのバックテスト結果が表示されていましたが、1分足だとどうなるでしょうか?
2020年4月20日22時44分からになっています。
日足のとき :1981年1月29日
1分足のとき:2020年4月20日
表示期間は40年弱異なっています。
表示可能な足の長さが決まっているため、足の長さが短くなればなるほどバックテスト期間が短くなってしまうのです。これの何が問題なのでしょうか?具体例をあげてみていきましょう。
バックテスト期間が短いことで生じやすくなる問題とは
これはボリンジャーバンドによる戦略です。足の長さは3分。バックテスト結果が右肩上がりになるようにテキトーにパラメータを調整しました。作成までに30秒程度しかかかっていません。
非常に良いというわけではないものの、全体としては右肩上がりであり、この結果が今後も続くのであれば良さそうです。これを信じてこのまま動かしてよいものでしょうか?
そこで2月1日以前の結果を見てみることにします。
一転して右肩下がりのバックテスト結果になってしまいました。
もちろん5月30日以降の成績がどうなるのかはわかりませんが、2月1日~5月29日と同じような結果が望めるものではなさそうだぞ?というのは何となく想像がつくのではないでしょうか。
厳しいことを言うようですが、特別な意図がない中で短い期間だけを見て一生懸命パラメータ調整をしてバックテスト結果が右肩上がりになるようにがんばった時間は完全に無駄です!
意味のない空虚な時間!
このようなストラテジー作成が行きつくのはカーブフィッティングであり、トレードでの損失です。
またカーブフィッティングについてはこちらの記事で基本のキの防止策を紹介しているので、まだ読んでない人はぜひ読んでみてください。
カーブフィッティング防止のための基本のキ
さて、なぜバックテスト結果を遡って見る必要があるのか?がわかったところで、最後に具体的な方法を見ていきます。
バックテスト結果を遡って見る方法
バックテスト結果を遡って見るためには、TradingViewの「バーのリプレイ機能」を使います。
「バーのリプレイ機能」は本来は現在のチャートを見ないようにしてトレードを練習するための機能ですが、バックテスト期間を遡って見る用に応用することができます。
使い方はTradingViewの公式ヘルプでわかりやすく紹介されています。
バーのリプレイを利用する方法は?
これを見て、実際に試してみてください。
まとめ
- TradingViewでは足の長さによって表示可能なバックテスト期間が異なる
- 短い期間だけを見てストラテジーを作るとカーブフィッティングが起こりやすい
- バーのリプレイ機能を使うことでバックテスト結果を遡って見ることができる
以上です。
これは特に短期足のストラテジーをTradingViewで検証するときには最低限やるべきことであり、基本中の基本です。必ずやるようにしてください!
また、このやり方できちんとチェックをしたからといってすぐに儲かるストラテジーができるわけではないことには注意してください。
BBBでした。