価格予測はしたいが機械学習はやりたくない99%の人へ

  1. 仮想通貨

仮想通貨の価格予測、できたら最高ですよね。それも最近流行りのAIを使って行うのなんていいんじゃないでしょうか。

「AIを使って仮想通貨の価格を予測しています」

と言っている人がいたら、ガチのデータサイエンティストか詐欺師かに違いありません。後者はさておき、前者はクールです。カッコイイ!

そこで今日は、「機械学習×仮想通貨×ロジカルシンキング」をテーマに、過去の論文を元に機械学習を仮想通貨投資にどう活かしていくのか。また、機械学習を活用できない人にとっても役に立つロジカルシンキングの話をしていきます。「機械学習」というキーワードを聞いたことがない人にとっても役に立つ情報です。

機械学習を活用?無理でしょ。どうやるの?

先日、システムトレードに関して密度の濃い情報を発信しているUKIさん(@blog_uki )が投資分野の機械学習を検討している人向けの記事をあげました。

非常にわかりやすくまとめられている記事です。

ただ、率直な感想として、これを読んで自分の投資に活かせる人はもうすでに実践済みの人なのではないかとも思いました。
色々な手法があるのはわかったけど、どうやってやったらいいの?という人は存外に多いのではないでしょうか。

そこで本日紹介するのが、実際に機械学習を使って価格予測を行っている論文です。 こちらをピックアップします。

Sentiment-Based Prediction of Alternative Cryptocurrency Price Fluctuations Using Gradient Boosting Tree Model

「センチメント分析」を用いた価格予測に関する論文です。「センチメント分析」は主として自然言語処理を用いて、インターネット上の文章媒体のキーワードを分析し、市場のセンチメント(感情)を分析する手法です。
シンプルに言うと、特定の仮想通貨のことを書き込んでいる人がどれだけいるか、その内容はポジティブなものか、それともネガティブなものかを見る手法です。

余談ですが、UKIさんはnoteの中で以下のように書かれています。

投資における機械学習はそれ自体で予測モデルを構築するのではなく、サーベイを効率的・効果的に行うために使うほうが良いと考えています。

これについては私も同意見なのですが、今回はわかりやすさを優先して価格予測に関する論文をチョイスしました。まずは論文の内容をスーパーざっくりと把握してみます。

論文内容の超抜粋

・ ダートマス大学のTianyu Ray Liらの研究

・SNSのデータを使った価格予測は従来は精度が高かったが、今は価格の決定因子が増えて機能しにくくなっている(現在の状況)

・機関投資家がほとんどいないアルトコイン市場であれば、個人投資家の動きで価格が決まることが多いので、SNSの分析が活用できるのでは?(仮説)

・特定のアルトコインを対象に、約1か月間分のキーワードが含まれているtweetを抽出。各tweetをポジティブ、ニュートラル、ネガティブに分類し、重みづけを行った(実験方法)

・価格予測の結果と、実際の価格の相関係数は0.81であり、非常に高い相関関係が確認された。時価総額の小さなアルトコイン市場では、ソーシャルメディアの情報は価格変動を予測するために利用し得る。(結論)

(アルゴリズム)

本論文のモデルで使用されたアルゴリズム

(参考FIGURE)

モデルの予測値と実際の価格のデータの比較

より詳しい実験方法や考察については元の論文を見てください。

それでも機械学習なんてやりたくない99%の人へ

「はえー、なるほど。そういう風にやってるのね。参考になった。もっと色々論文を見てみて、今度は自分でやってみよう」

となった1%の人はぜひ色々トライしてみてください。
(あわよくばその結果を私にも教えてください)
この論文に限らず、手法をどのようにして活用しているのかの実践的な教科書はやはり論文です。 論文というのは、研究テーマ、概要、実験方法、結果、考察などの要素が必ず揃っているので、非常に読みやすく、腹落ちしやすい構成になっています。

残る99%の、

「そういうのがあるのはわかったけど、俺には関係ないよね?」

という人は、論文の中でどのようにして仮説が立てられたのかに着目してください。
機械学習を使うという技術的なことはもちろん重要ですが、それと同じぐらい重要なのが仮説立案の部分です。的外れな仮説を立てては、どんなに手法が優れていてもゴールにはたどり着けません。そして仮説立案に関して必要なのは機械学習の知識ではなく、投資やトレードの経験です。
(仮説立案のためのサーベイを行うことも重要ですがここでは触れません)

仮設立案について、論文の中で彼らがどのように考えたのかをより詳しく抜粋してみます。

<センチメント分析を行うに至る経緯>

・機関投資家は時価総額の小さなアルトコインをほとんど売買しない(事実)

・アルトコインを動かしているのは主に個人投資家である(事実)

・個人投資家の動きによって価格変動が生じる(事実)

・アルトコインでは、他の経済指標の影響がビットコインなどよりも遥かに希薄である(事実)

・個人投資家はSNSを通じて情報発信を行う(事実)

以上の事実情報より、価格の決定要素が個人投資家の動きで決められるアルトコインは、SNSを通じて個人投資家の投資心理を分析することで予測できる可能性がある。投資心理を分析するのには自然言語処理を使うのが良さそうだ。だから機械学習をやろう。

こうです!

どうでしょうか?この仮説立案という一点において、機械学習はまったく関係ありません。必要なのはマーケットの理解です。

アカデミックの人間にとってのゴールは、値動きを予測して稼ぐことではなく、精度の高い値動きを予測することになりがちです。そのため実際にトレードを行う人は少ないように思います。 (私の偏見も混じっています)
相関係数が0.81(非常に高い)だったとしても、それを利益に繋げることにはもう一段階段を登らなくてはなりません。

マーケットの理解という点では、これを読んでいる皆さんのほうが遥かに上をいっています。何しろ皆さんは戦場での実戦経験のある戦士です。デスクの上では決して理解できない、耳の横を銃弾が通り過ぎたときの感覚や、肺に土煙が入り込んだときの痛みを知っています。トレードの経験があることは大きな強みです。

今回の仮説立案では、“たまたま”センチメント分析を行うことが、仮説の立証に繋がりそうだったので機械学習を使うことになりました。
機械学習は仮説を立証するための手段・道具です。仮説の内容によっては使う必要がないことも考えられます。

(ともあれどんな道具があるのかを知ることで、仮説立案のための選択肢が自然と広がるので、道具(機械学習の手法)について学ぶことは大いに意味があると思います)

仮説を立てること自体は、トレードをする人であれば誰しも自然と行っていることです。試しにご自身のトレードのルールがどのような仮説に基づいているのかを考えてみてください。思いもよらぬ発見があるかもしれません。

まとめ

・投資で機械学習の手法をどう活用すればいいのかを参考にしたいときには論文を色々読むのが手っ取り早い

・ロジック考案における仮説立案は非常に重要。抜きんでて重要

・機械学習は仮説の立証するための1つの手段。使う必要がないことも考えられる

・仮説立案においては、実戦経験のあるトレーダーのほうが優れていることはままある

・自分のトレードルールがどういう仮説に基づいているのか考えると思わぬ発見があるかも

以上、BBBでした。
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株式会社BBB andCompany代表取締役。本をよく読みます。Twitterでも投資に関する様々な情報を発信しています。フォローしていただけると嬉しいです。

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