取引戦略作成入門(仮説立案編)

  1. データ分析

BBBです。

今日は取引戦略作りのスキル的なところではなく、考え方の部分を公開します。裁量トレード、システムトレードの区別なく参考にしていただければ幸いです。

取引で儲けるためには、仮説立案→取引実行→分析・検証→改善というサイクルを回していくことが大切です。

(これがそもそもなぜ大切なのかはまた後日)
今日お話しするのはこのサイクルの一番最初の仮説立案をどうやって行っているのかについてです。

仮説立案とは?

仮説立案とカッコつけて書いていますが、これは誰でも当たり前のように行っていることです。
取引に限らず、何か新しいことを実行するときには、何かしらの予想を立てて行うと思います。

たとえば新宿駅から徒歩10分の目的地に行くときのことを考えます。
地図では徒歩10分となっていても、新宿駅のことを考えると10分では着くとは思えません。駅の出口にたどり着くまでに5分ぐらいはかかりそうです。
そこで遅刻しないために到着したい時間の10分前ではなく、20分前に新宿駅に着くようにしよう、という計画を立てたりします。

10分では着かないだろうという仮説を元に計画を立てて、その計画通りに行動することで無事に遅刻せずに到着することができました。
当たり前のことですが、これもひとつの仮説立案です。

必要なデータを準備する

仮説を立てるためには仮説を立てるためのデータの準備が必要です。
新宿駅で言えば地図を見たときのドン引きするような駅の大きさや、「新宿駅マジ迷う」といった他の人の声もデータになります。

取引に関するデータなんて言われても困ると思われるかもしれませんが、皆さんが普段見ているチャートはOHLCを人間が観察しやすい形にまとめたデータの集合です。
つまり手っ取り早くやることはチャートの観察です。

また人によっていろいろな得意分野があると思います。
得意分野は必ず活かしましょう。
私はむつかしい数字を見るのは嫌いで、作者の気持ちを考えるほうが得意なタイプの人間です。
色々な本を読むのが好きなので、本から得たアイディアは存分に活用します。

データを観察して仮説を立てる

データを観察します。
今回選択するアセットはみんな大好きBTCです。
BTCのチャートを時間軸を変えて色々見てみます。

あーでもない、こーでもないと色々見てみます。
ここで表示しているのはOHLCV(始値、高値、安値、終値、出来高)だけですが、金利の情報やドミナンス情報など、これ以外のデータを観察するのも良いと思います。
何が使えるのかは見てみないとわかりません。
自分で考えて参考になるかも?と思ったデータがあれば何でもいいのでとりあえず見てみましょう。

統計分析を行うのも良いのですが、今日は誰にでもわかりやすいようにもっと簡単な例を挙げて仮説立案を行ってみたいと思います。

私がチャートを観察してまず思ったのはコレです。

「なんか大きく上がったあとって大体下がって、大きく下げたあとも大体あがるなあ」

こんなレベルでOKです。

絵で描くとこんな感じになります。(見やすいようにざっくりお絵描き)
この仮説を元に戦略を作ってみます。
と、その前にこの仮説が本当に正しそうかどうかを考えてみましょう。

仮説を裏付ける根拠が何か定性的に考える

非常に重要なフェーズです。
この工程を省くと、相関はあっても因果がない偶然の産物を聖杯だと思い込み、実際に試してみるものの全然上手くいかないという結果になってしまいがちです。

特に特定のインジケータありきで仮説(取引プラン)を考えると、罠に陥りがちです。インジケータだけを見ていたのでは、単なる偶然なのか、何かしらの理由のあるものなのかどうかが判断できません。

なんとなくこう思う。の理由を考えてみます。

今回の場合は投資家の行動バイアスの観点から簡単に説明がつきそうです。
市場参加者がある程度多く、大口投資家の影響が絶対的でない場合には、大きな材料による市場価格の遷移はスローになる傾向があります。
これは投資家が以前の価格にアンカリングされているのと、利益確定によるディスポジション効果が生じることが原因であると考えられます。
またどこが良い着地地点になるのかはわからないため、価格はオーバーリアクトします。
その結果生まれるのがこういった形のチャートです。

赤が理論的な価格遷移、
黒が実際の価格遷移です。

BTCはシンプソンチャートになりがちだからこうならないんでは?と思われるかもしれませんが、時間軸を長くするとシンプソンの動きは見えにくくなります。
またBTCは大きな材料だけで上がるものではないのでは?という突っ込みに関してはその通りなので、そこに関しては正直脇が甘いです。
今回のものはサンプルなのでご容赦ください。

技術はここ産業革命以降急速に進化していますが、人間の性質はたかだか200年程度ではほとんど変わりません。
これは人間の性質に根差した特性を元にした戦略なので、「なんか大きく上がったあとって大体下がって、大きく下げたあとも大体あがるなあ」は、単なる偶然ではなさなそうです。

もうここで取引実行に移ってもよいのですが、可能であれば定性面だけでなく、定量的にも本当にこの感覚が正しいのか検証してみましょう。

仮説を定量的に検証する

この仮説を元に稼ぐための方法は大きく2つ考えられます。

①大きく上がり始めたところで買って、大きく下がり始める前に売る
②大きく上がったところで売って、下がったところで売る
(最初に大きく下がるときはこの逆)

あとはこのパターンに合わせるようなインジケータを選択したり、作成したりして実証実験を行います。
(これが一般的なところで言うところのバックテスト)

よく最初からインジケータありきで儲かる儲からないを判断する人がいますが基本的には順序が逆です。インジケータは仮説ありきで何をどう使うか考えるものであり、インジケータありきで仮説(取引プラン)を後から考えても上手くいかないことが多いです。
※個人の意見です。

そんな感じでできたのがこのバックテスト結果です。
2019/1~、BitMEX、手数料0.075%計算。

以上で取引戦略作成のための仮説立案は終了です。

ここで出した例のように完全に定量的に記述できるようならbot化しても良いですし、要所要所で裁量的な判断を加えたければ参考にする程度にして裁量で動かせば良いですね。

またこの例はOHLCV軸の戦略だったのでTradingViewでバックテストを行えましたが、板情報などをベースにした戦略など、使うデータによってはバックテストが難しいシーンもあります。
その場合は、少額で何はともあれ試してみるのが手っ取り早くてオススメです。

ちなみにこのストラテジーははむとれ内でソースコードも含めて公開しています。
一見良さそうに見えますが、いくつかの理由からこのままだと微妙です。
例としてわかりやすかったので、サンプルとして取り上げました。
このコードを応用すれば実用レベルのストラテジーもできそうな気はしています。

まとめ

・取引で儲けるためには仮説立案→取引実行→分析・検証→改善のサイクルを回すことが大切

・仮説立案の手順は4つ
 1.データを準備する
 2.データを観察する
 3.仮説の定性的な理由を考える
 4.仮説を定量的に検証する

本日はここまでです。
以上、BBBでした。

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株式会社BBB andCompany代表取締役。本をよく読みます。Twitterでも投資に関する様々な情報を発信しています。フォローしていただけると嬉しいです。

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