仮想通貨を売買するためには国内外の仮想通貨取引所を利用する必要があります。そしてこれから仮想通貨投資/トレードを始めようとする初心者の方にとって最初の関門は、
「どこの取引所を使えばよいのか?」
だと思います。ニーズが大きい情報ですし、各取引所は集客のための手段としてアフィリエイトを活用しているため、「仮想通貨取引所 オススメ」といったワードで検索すると情報がうんざりするほど出てきます。情報は玉石混合ですが、それでも国内取引所に関して出てくる情報はまだマシなほうです。
これが海外取引所の紹介になると、おすすめ取引所のランキングはただ単にアフィリエイト報酬の高い順になっていたりして、書かれている順位を額面通りに受け取ることがまったくできなくなります。そこで今日は海外取引所を使用する上で注意すべき点について、いくつかのポイントを紹介します。
目次
そもそも海外取引所を使っても良いの?逮捕されたりしない?
個人が海外取引所を使用して逮捕されることは今のところありません。安心してください。
ただ完全にシロかというとそうではなく、グレーというのが正しい表現になります。
金融庁は特定の海外取引所に対して、日本の企業に対して勧誘を行うな、と警告を出しています。海外取引所が日本で勧誘活動を行うことは違法です。ですが、日本人の個人が勝手に海外取引所を使用することは違法ではありません。
また金融庁に認可されていないので、イコール危険で使うべきではないかというと必ずしもそうではありません。日本の現行法では営業活動が許可されていないという事実と、その取引所の危険性は切り分けて考える必要があります。
ちょっと意地悪な言い方をするのであれば、金融庁が認可しているけど過去にハッキング被害にあっているし不自然な値動きが頻発する取引所と、金融庁には認可されていないけれどセキュリティ的に堅牢で一度もハッキングされたことはなく日本の取引所の10倍以上の資本を持った取引所の2つは、どちらが安全なんだろうか?という話です。
海外取引所を使用する際にチェックするべき点
どんな種類の仮想通貨を取引できるのか、手数料やスプレッドはどうなのかなど取引所を選ぶときに気になる点はたくさんあります。ですが、ここでは安心して使用することができる海外取引所、つまり「突然取引所から出金できなくなることがない安全な取引所」という観点のみに絞って記載していきます。
ちなみに取引所から出金ができなくなってしまうようなリスクのことを「カウンターパーティリスク」と呼びます。
1.取引所の運営企業は明確か
運営元がはっきりしているかどうかは非常に重要です。どこの誰が運営している取引所なのかわからない取引所にお金を預けるのはナンセンスです。運営元が明記されているかどうかは必ず確認してください。
- 運営企業は?
- 会社の所在地は?
- 代表者の名前と経歴は?
- 利用規約とプライバシーポリシーの内容は?
- 取引所とのコミュニケーション手段は確保されている?
- その取引所に出資している投資家は?
- 採用活動の状況は?
- 外部の採用サイトなどにその企業の採用情報は載っている?
この程度の情報は知っておいて損はありません。検索すればすぐにわかります。ぜひ自分で調べてください。
また、その取引所がどの国で運営しているのかも非常に重要です。取引所の運営方針はその国の方針に大きく左右されます。
(日本の場合は金融庁の意向に大きく左右される)
どこで運営している取引所なのかを把握するとともに、その国の仮想通貨に対する姿勢は大まかに把握しておくことを推奨します。国別の仮想通貨の税制の違いや要人のスタンスなどもすぐに出てくる情報です。
余談ですが、複数の海外取引所にまとまった資金を入れる場合、運営している国が同じ取引所は避けたほうが良いと考えています。同じ国の取引所の場合、その国のお上の鶴の一声でどちらの取引所も同じような対応を取ることが考えられるためです。
2.儲かっている取引所か。保証制度はどうなっているか
その取引所が利益を出しているかどうかは非常に重要です。取引所にお金を預けているユーザーにとって一番怖いのは、取引所が大損害を出して倒産してしまい、預けていたお金が引き出せなくなってしまうことです。取引所が倒産するケースとして、取引所へのハッキングといったリスクの他、相場の急変によって多額の清算が発生するケースも考えられます。
各取引所はこういった最悪の事態を防ぐため、セキュリティ対策に予算をかけたり、保険基金といった制度を作成したりしています。そしてセキュリティ対策に力を入れることができたり、相場の変動で会社の資金がショートしない取引所は、端的に言って儲かっている取引所です。
その取引所が儲けているかどうかをどうやって判断するのかは難しい問題です。私はその取引所のアフィリエイト報酬の仕組み、取引所の出来高、取引所の維持に必要なコストをざっくりと見積もった上で乱暴に計算しています。あとはその企業が取引所以外のところでどういった取り組みをしているのかもチェックしています。(これで良いのかどうかはイマイチわかりません)
取引所が相場の急変で大損しないための仕組みについては、各取引所によって取り組み方法が異なります。個別に調べてみてください。
そこまでするのは面倒くさい、という人は「無名の取引所を使わない」ことだけ徹底してください。
Google検索で出てくる汚染された情報は参考にならないことが多いので、その取引所と利害関係のないTwitter等での個人のつぶやきを見たほうが参考になることもあります。
3.納税時の作業が面倒くさくなることを覚悟する
損をするつもりで仮想通貨投資/トレードをする人はいないと思います。納税のことはあらかじめ考えておきましょう。海外取引所を使用していると、漏れなく納税時の作業が面倒なことになります。
仮想通貨の税制は複雑であると聞いたことがある人は多いかと思います。ですが、1つの国内取引所でしか売買していない場合は特に難しいことはなく、自分1人でも簡単に行えます。国内取引所を複数使っている場合はちょっと複雑になりますが、劇的に難しくなるわけではありません。
海外取引所が絡むとそうはいきません。途端に面倒くささが跳ね上がります。取引履歴を定期的に吐き出したり、サポートに抽出をお願いしたりして自分で保存。通貨間の変換を行ったときの記録と計算。為替レートを考慮した取得額の計算。面倒くさいです!!!
嫌じゃ!やりとうない!やるけども!!
この面倒くささは海外取引所を使用しない理由になり得る程度には面倒くさいものです。海外取引所でしかできないことを求めて使用するのではなく、「〇〇さんがいいって言ってたから」という緩い理由で使おうとしているのであれば素直に国内取引所で取引しましょう。その〇〇さんはたぶんアフィ報酬が欲しいだけです。
ところで海外取引所の納税の面倒くささについて書かさたサイトって全然ないですよね。納税エアプか?
結論:使ってもいいけど初心者にはオススメしません
海外取引所を使うことは違法ではなく、海外取引所にしかないメリットも多数あります。実際に私は複数の海外取引所を使用しています。
その上で、初心者の方にはオススメしません。もし投資/トレードになじみがない友達が、どこを使えばいい?と聞いてきたら普通に国内取引所の使用を薦めます。技術や情報を追いかけるのが好きで仮想通貨にハマりそうな人や、リテラシーがあって投資ではなくトレードをガンガンしたいんだ、という人に対しては例外的に「一緒に海外取引所であそぼ」となります。
※初心者の方
仮想通貨投資/トレードを今から始める人のことを想定
まとめます。
- 海外取引所を使用することは違法ではない
- 海外取引所だからと言って危険なわけではない
- 海外取引所を使用するのであれば以下の3点は抑えておきたい
1.取引所の運営企業は明確か
2.儲かっているか。保証制度はどうなっているか
3.納税時の作業が面倒くさくなることを覚悟する - 初心者は素直に国内取引所を利用するのが無難
以上です。
BBBでした。