Play-to-Earnとナウルの栄枯盛衰

BBBです。

Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)が現実のものになった。Axie Infinityはエンターテイメントを提供するだけでなく、食卓に彩りを与えている。ゲームをプレイすることで最低賃金の倍以上の収入が得られるのだ。

前回の記事ではAxie Infinityが実現したものとPlay-to-Earnを支えるScholarship制度について詳しく紹介した。Axieがコロナ禍で失業した人たちにとっての福音になっているのは紛れもない事実だ。彼らは文字通りの意味でAxieに命を救われている。

しかし長期的に見たときにはどうか?
今日はPlay-to-EarnとScholarship制度が行きつくかもしれない未来について警鐘を鳴らしたい。

※色々あってまだアップできていないのでアップ後にリンクを貼ります。

ゲーム内トークンの価値とは?

AxieプレイヤーはゲームをプレイすることでSmooth Love Portion(SLP)と呼ばれるトークンを獲得する。SLPゲーム内でキャラクターを産み出すために用いられる。それと同時にUniswapやBinanceで売買が可能な資産でもあるため、ゲームをプレイすることがイコールお金を稼ぐことに繋がっている。

SLPの需要は新しいキャラクターを産み出すことによって発生し、供給はゲームをプレイするプレイヤーの数に依存する。つまり、Axie Infinityというゲームに新規参入者が増える限りはSLPの価格は維持される。ゲームで用いられるトークンである以上必然ではあるが、SLPの価値はゲームに価値があるかどうかに大きく依存している。このシンプルな需要と供給以外に価格を決定したり安定させたりするメカニズムは存在しない。

SLPはゲームの流行具合によって価格が決定されるものであるため、本質的に極めてボラティリティが高く、トレンドが発生しやすい“金融商品”であると言える。

Axieでお金を稼ぐことは簡単だ。少なくとも朝から晩までの肉体労働よりは間違いなく。
でもだからと言って将来にわたってAxieプレイがお金に繋がる保証はない。

現在の、誰もがこぞってAxieをプレイしようとしScholarshipプログラムに応募する状況を見ると、私はかつてのナウルを思い出す。

ナウル――仮初の楽園――

ナウル共和国といえば最近ではTwitterのナウル共和国政府観光局(公式)を思い浮かべる人が多いのではないか。何せ観光局の中の人のTwitterがとにかく上手い。明らかに日本語話者。Twitterだけでなく幻冬舎plusで「そのうち、ナウルに行こうよ」という連載も持っているので興味がある方はぜひ。

さて、ナウルといえば今はTwitterアカウントかもしれないが、かつてはリン鉱石に振り回された国として有名だ。リン鉱石とは、海鳥の排泄物や亡骸が数十万年をかけて折り重なり、化学変化を起こして組成された鉱物で化学肥料の原料になる。

このリン鉱石によってナウルは世界最高水準の暮らしを享受し、その後経済崩壊し、マネーロンダリングの温床やテロリストへのパスポート発行等を行うならず者国家へと転落した過去を持つ。

リン鉱石の採掘自体は1907年から行われていたが、当時のナウルはドイツの保護国であり、その後はイギリス・オーストラリア・ニュージーランドの3国を施政国として占領され、さらに日本軍に占領され、第二次世界大戦後に再びイギリス・オーストラリア・ニュージーランドの3国を施政国として国際連盟委任統治領となった。
ナウルが独立したのは1968年で、この独立までリン鉱石採掘によるロイヤリティはほとんど国民に還元されなかった。

しかし独立を機にナウル国民の生活は一変する。リン鉱石採掘による莫大な収入が手に入るようになり国民一人当たりのGNPは当時の日本の2倍、アメリカの1.5倍を記録した。その結果、医療費、学費、水道・光熱費はタダ。税金も存在しないという夢のような生活が実現した。

リン鉱石の採掘は外国人労働者に任せきりになり、国民の無職率は90%を記録した。そうして毎日遊んで暮らせる生活が30年続いた。

リン鉱石が枯渇することはわかっていたので、当時の大統領は金利や事情収入を得るべく投資を積極的に行ったが、ことごとく失敗。枯渇と同時に国家は経済破綻状態に陥った。

しかし彼らは昔の生活に戻ることは選択せず、手っ取り早くお金を稼ぐために国家単位でマネーロンダリングの片棒を担ぐビジネスに手を染めた。登録料を払えばだれでもナウルで銀行を開設でき、この銀行でロシアマフィアの資金洗浄が横行した。
これがバレて(そりゃバレるに決まる)、ナウルはOECDのブラックリストに載せられ、2004年にはすべてのオフショアバンクの免許が取り消され、金融事業を行うことができなくなった。

マネーロンダリング支援が使えないとなって、ナウルが次に目をつけたのはパスポート発行だった。中国系アメリカ人を介してパスポートを大量に発行・売りさばき荒稼ぎを行った。ナウルのパスポートを持っていたアルカイダ関係者が逮捕されたことをきっかけに、この違法パスポート発行がバレたときには、大統領の口座に数百万ドルの資金が流れ込んでいたという。

ここからナウルはどうにかこうにか復活して昔の堅実な生活を取り戻す。しかしナウルが過ごした奢侈贅沢な暮らしの代償は大きく、改善の兆しは見えているとはいえ、国民の多くが今も肥満と糖尿病に苦しめられている。

リン鉱石による不労所得をきっかけにしたナウルの歴史はブロックチェーンゲームにおけるPlay-to-Earnと無関係ではないように思う。

行き過ぎたPlay-to-Earnは産業の空洞化を引き起こす

今、一部の国家や村の住民にとって収入を最大化するためにはAxieプレイが最善の選択肢になっている。しかもAxieプレイには特別なスキルは必要ない。Scholarshipに選ばれるかどうか、良いManegerに当たるかどうかの運の要素が一番大きい。

またScholarshipのManeger側も短期的な収益を最大化させるために、Scholarにハードなプレイを求める傾向がある。規制のない市場原理は搾取を産み出す。
ただし今のところは、休日なしで毎日プレイすることがScholarにとってもManegerにとって利益を最大化することになっているのと、Scholarshipの需要が供給を大きく上回っているためノルマに不満を言うScholarはほとんど存在しない。

この流れが加速するとどうなるだろうか?
村単位や町単位でAxieで生計を立てるところが現れることが予想される。実際にほとんどそういった状態になっている村もあると聞く。

Axieが存続し、人が増え続け、SLPの価値が高く維持されるうちは問題ない。だがひとたび魔法が溶けたときに支払わなければならない代償は大きい。皆が皆、収入を最大化させるべくAxieに飛びつくと産業は空洞化し、Axie後に手に残るスキルもない。
そうなると人々は従来の生活に戻ることは選択せず、同じように楽に稼げる手段を探すことになる。それはきっと同じようなブロックチェーンゲームだったり、悪ければ犯罪行為だったりするかもしれない。

本業よりも稼げたとしてもAxieを副業としてプレイする分には問題ない。だがそうはなりそうもない。

ナウルから学べること

ナウルから学べることがあるとすれば、「上手い話は永遠に続かない」に尽きるのではないか。何もAxieに限った話ではない。他のブロックチェーンゲームでもそう。コレクティブルNFTバブルでもそう。仮想通貨バブルもそう。Play-to-Earnで生活することができれば確かに素晴らしいが、あくまで副業としてタッチし、それのみに人生を賭けないように、調子に乗らないように注意するべきではないか。

私はそう思い、考えすぎだろと言われそうではあるが、Scholarshipの縁故採用はほどほどにするのと同時に、日々の目標はゆるーく設定し、あくまで副業の範囲でゲームをプレイするように推奨している。

Axieが人々の生活を支えているだけでなく、命を救っているのは紛れもない事実だ。そこを否定するつもりはない。私のScholarでもSLPを換金したお金で余裕ができたから5歳の娘にワクチンを打つことができたと病院の診療室の写真と共に報告してくれた人もいてほっこりしている。

ここで描いた未来は、特定のPlay-to-Earnの手段に人々が一極集中したときに起こり得るネガティブな可能性のひとつとして受け止めてもらえると嬉しい。

BBBでした。

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